自己および対象物が水平面上で静止あるいは移動する環境で有効な衝突予測方法を提案するとともにロボットの眼に取り込まれた実ステレオ動画像に適用した結果を示す.具体的には,左眼カメラの画像上での見かけの水平移動距離δL’と右眼カメラの画像上での見かけの水平移動距離δR’(両眼速度対)を両眼の対応画素で抽出し,自己のどこに何時衝突するかを求める両眼速度対法を提案する.この手法の特徴は,(1)水平方向の見かけの移動量のみを測定するという条件により対応点の探索量が少ないこと,(2)運動環境下で生じていた窓問題が生じないため,水平エッジ以外のすべて傾きのエッジが衝突予測に使えるようになったことである.また,当該手法の重要な量である正しい両眼速度対(δL, δR)や衝突時刻と衝突部位が現有装置で理論通り,精度よく測定できることを簡単な移動ロボットで確かめた.