2017 年 19 巻 1 号 p. 73-80
uncertainty には,randomness, vagueness, ambiguity など,複数の不確実さを伴う概念が含まれている.これらの概念に対するファジィ情報量やエントロピーを与える試みがなされてきている.まずrandomness に関してC.E.Shannon により数学的な枠組みが完成された.その後,L.A.Zadeh によりファジィ理論が創始され,randomness, vagueness, ambiguity を扱う様々な研究されてきた.ファジィ情報の情報量やエントロピーについてはrandomness とvagueness については研究がなされてきているが,明示的にambiguity を扱っている理論は,筆者らの知る限り無い. ファジィ理論においてComputing with Words(CW)が盛んに研究され,有用性は広く知られている.情報表現としての言葉(Word)は,人間の主観のみならず,複数の人間で共有する知識や常識なども表現できる.本研究では,ファジィ論理文という複数の言葉(Word)を「でない(NOT)」,「かつ(AND)」,「または(OR)」で連結したメッセージを通信する場合の「あいまいさの情報量」「あいまいさのエントロピー」を提案している.本研究での提案はファジィ論理文の持つambiguity の情報量とエントロピーを表現するものである.