本研究は高齢者を対象とした車椅子使用時における転倒・衝突時の傷害発生実験を行い,人体への最大傷害及び生存率の推定を行った.その結果,転倒の最大傷害は側方転倒で頭部にAIS(Abbreviated injury Scale)6 の傷害が発生した.生存率はTRISS(Trauma and Injury Severity Score)モデルでは0.12%,ASCOT(A Severity Characterization of Trauma)モデルでは0.00%になることがわかった.衝突の最大傷害は車椅子が15km/h で進行途中,縁石にひっかかり,前のめりになって壁に衝突する場合,頭部にAIS3 の傷害が発生し,生存率はTRISS モデル72.58%,ASCOT モデルでは最小で74.09%になることがわかった.またすべての実験でヘルメットを付けることでAIS を2 から3 程度減少させ,生存率を上げる効果があることがわかった.