本研究では,看護学生の学習意欲を高める基礎資料とするため,学習意欲に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とした.看護学生119 名を対象に,学習意欲尺度(永嶋,2001),基本的信頼感尺度(谷,1996),大学生活の状況などで構成した質問紙調査を行った.107 名の有効回答を得て,データ分析を行った.その結果,男子学生が,学習意欲の下位因子である【主体的学習行動】が高い傾向にあった.また,大学生活を楽しいと認識している学生が,【実習・演習に対する期待】と【小集団学習への適正】が高い傾向にあった.学内友人が多いと認識している学生が,【主体的学習行動】が高い傾向にあった.対人的信頼感が高い学生が,【実習・演習に対する期待】と【小集団学習への適正】が高い傾向であった.本研究の結果から,学習意欲に影響を及ぼす要因として,「性別」,「大学生活の楽しさ」,「学内友人数」,「対人的信頼関係」が認められ,看護学生の学習意欲を高めるには,学内での生活や友人関係への支援が必要であることが示唆された.