2019 年 21 巻 2 号 p. 1-8
米国患者評価指標(HCAHPS)に基づいた,入院患者満足度の総合評価に関連する要因を調査した.2014 年から2016 年に退院した患者のうち,満足度の総合評価が高評価(9, 10 と回答)であり,残りの設問すべてに回答した4,787 件を対象とした.その結果,(1)22 項目の質問をもとにした因子分析より,医師,看護師とのコミュニケーション,検査,治療に関する説明,疼痛コントロール,薬剤に関する説明,退院後のケアの理解の6 つの潜在因子が抽出された.これらはHCAHPS の統合指標と類似していた.(2)非階層的クラスタ分析により,総合評価が同じ群の中に,全因子得点の平均値が高いグループと低いグループが存在することがわかった.(3)2 項ロジスティック回帰分析により,2 グループを分ける高評価群の要因は,退院の曜日,部屋移動,関与看護師数,MRI 検査,退院時診療科が関係していることが明らかとなった.