2021 年 23 巻 1 号 p. 69-76
ディープニューラルネットワーク(DNN)によるディープラーニングを用いて,睡眠段階の自動判定を試みた.男子大学生 5 名の 32 日間のポリグラフデータから抽出した 8 項目を入力データとし,Rechtshaffen and Kales(R&K)法に従った 1 名の判定者の視察判定による睡眠段階の 7 項目を教師データとしてディープラーニングおよび評価を行った. その結果,ディープラーニングによって判定された睡眠段階と視察による判定の一致率は,SW(57.7%),SREM(75.8%),S1(7.1%),S2(79.2%),S3(62.8%),S4(80.9%),MT(1.8%),全体で 72.1%(κ=0.57,P<0.01)となった.この結果から,睡眠ポリグラフから抽出した 8 項目の抽出値を入力データとした DNN を用いた手法は,睡眠段階の自動判定に応用できる可能性があるものと考えられる.