バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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若年性認知症サポート企業における若年性認知症者の就労継続支援の実態分析
新山 真奈美 夏梅 るい子
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2021 年 23 巻 2 号 p. 11-16

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抄録
若年性認知症を発症した場合,発症後に退職する事例も多いことから,若年性認知症者は就労継続困難であることが推測される.就労継続困難に陥ることで,本人・家族は精神的,経済的に大きな影響を受けることとなる.従って今後は,若年性認知症を発症したとしても,本人が安心して就労継続できるためのしくみ作りが重要である.そこで,若年性認知症サポート企業における若年性認知症者の就労継続支援の実態を明らかにした.全国において,若年性認知症サポート企業として各自治体に登録,紹介されている企業のうち450 社を対象に,Web による無記名自記式質問紙調査を実施した.調査内容は業種,従業員数,産業医の有無,若年性認知症の診断または疑いのある従業員の有無,認知症の従業員に対し治療と仕事の両立のために企業側が行っている支援等とした.分析は,認知症従業員の有無と他の変数間によるカイ二乗検定を行った.結果,回答率28.2%,うち有効回答率31.5%であった.業種は非製造業が85.0%,従業員数50 人以下は50.0%,産業医有は8 社20.0%,認知症従業員有は22.5%であった.認知症従業員有群で有意差が見られたのは,他従業員は若年性認知症について「知っている・ほぼ知っている」であった.さらに両立支援では,認知症従業員有の企業で「産業医との連携,相談」,認知症従業員無の企業で「上司と本人の面接」において有意差が見られた.
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