バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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多職種における口腔ケアに関する役割認識の実態調査
青木 久恵 晴佐久 悟三好 麻紀門司 真由美町島 希美絵中島 富有子内藤 徹窪田 惠子
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2021 年 23 巻 2 号 p. 61-68

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抄録
本研究の目的は,多職種における口腔ケアに関する役割認識を明らかにすることである. 福岡県内の歯科医師107 名,歯科衛生士85 名,言語聴覚士113 名,看護師218 名,介護福祉士106 名を対象に,研究者が作成した口腔ケアに関する21 項目の役割認識について,自身の職種が実施すべきと考える程度を3 件法により回答を求めた. 役割認識についての職種間比較の結果,歯科専門スタッフと他職種間に有意差が認められた項目は,清掃(フロス・歯間ブラシ使用),歯垢・歯石除去,フッ素物塗布,口腔の美容,口腔健診であった. 介護福祉士は,摂食嚥下と言語訓練が他職種よりも有意に低い傾向があった. 歯科医療スタッフ以外の職種が,フロスや歯間ブラシを使用する口腔清掃および口腔健診を実施すると,歯周病予防や口腔内の異常の早期発見につながることが期待される. また,看護師や介護福祉士が,摂食嚥下訓練や言語訓練を実施すれば多職種連携による継続的な訓練が可能となり,健康寿命の延伸に寄与できることが示唆された.
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© 2021 Biomedical Fuzzy Systems Association
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