バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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職場内のコミュニケーションに対する認識とメンタルヘルス不調の自覚との関係
德田 洋祐 阿部 研二内田 信二本田 純久Doosub JAHNG
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2022 年 24 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
職業性ストレスを起因とするメンタルヘルス不調者が増加している.先行研究では,職業性ストレッサーの一つとして,職場内のコミュニケーションが示されている.本研究の目的は,所属する職場内のコミュニケーションに対する認識が,メンタルヘルス不調に対する自覚と関係することの確認である.法人A(N=283)を対象に,質問票調査を実施した.職場内のコミュニケーションに対する認識の質問項目として,チームのコミュニケーションの状況を主観的に回答するTCIQ を用いた.メンタルヘルス不調の質問項目としてはK6 を用いた.K6 の得点とTCIQ の各インタフェース及び総得点との相関係数は,目標共有 -.280,情報伝達 -.275,予定管理 -.284,評価認識 -.227,TCIQ 総得点 -.321 であり,いずれも統計的に有意な負の相関がみられた.これらの結果から,職場内のコミュニケーションに対する認識は,メンタルヘルス不調の自覚と関係すると考えられる.TCIQを用いて職場内のコミュニケーションを調査することは,メンタルヘルス対策と組織目標の達成に効果的であると考えられる.
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© 2022 Biomedical Fuzzy Systems Association
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