バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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CNN を用いた磁粉探傷画像の分類法
森塚 俊介神谷 亨
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2023 年 24 巻 2 号 p. 35-42

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抄録

磁粉探傷試験(Magnetic Particle testing)とは, 試験対象物の欠陥の存在が予想される強磁性体の試験体を磁石にし, その試験体の表面に強磁性体の磁粉を散布すると, 割れなどの欠陥部分に吸着されて磁粉模様が現れる. それを熟練技術者が評価することによって欠陥の有無を判断する方法である. この方法により, 試験対象物を破壊することなく検査が行える. しかし, 磁粉探傷試験には欠陥を見落とす可能性があるなどの問題点がある. 本稿では, これらの問題を解決するため, 磁粉探傷試験の自動化のためのディープラーニングによる欠陥画像の分類手法を提案する. 提案手法として, まず小さな欠陥に対しても高精度でセグメンテーションを行うことができる Eff-UNet の構造をベースにセグメンテーションを行う. さらに, その結果と Eff-UNet のエンコーダの最後の部分を結合したアルゴリズムにより, 欠陥の有無の最終判別を行う. 本手法を用い, 磁粉探傷試験中に得られる画像から欠陥の検出を行った結果, Accuracy(正解率)=92.4%, TPR(真陽性率)=89.2%, FPR (偽陽性率)=7.62%となった.

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© 2023 Biomedical Fuzzy Systems Association
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