抄録
従来のID とパスワードを使用した本人認証ではID とパスワードが流出してしまった場合やなりすましが発生した際に対応ができない.この問題に対してバイオメトリクス認証である行動的特徴量を用いた継続認証が有効である.本稿ではOpenPose を使用し入力頻度が高いエンターキー打鍵時の手指の骨格座標から特徴量の抽出を行う.本稿の目的はエンターキー打鍵時の手指形状に行動的特徴量と身体的特徴量が含まれるかの評価と,本稿で実施した実験から得られたデータについての検討を行うことにある.キーボードの操作経験レベルが異なる実験協力者20 名から得られたキーボード打鍵映像データセットを用意し,等価エラー率を使って評価を行った.実験結果より外れ値を取り除いた等価エラー率平均が5.6%となったことから継続認証に有効な特徴量であることが示唆された.