抄録
著者らは,4人の健康人(男女各2名)に対し吹奏楽曲を間断なく繰り返し聴取させた場合の心拍数の変動傾向について考察した.聴取させる吹奏楽曲としては「アパラチアン序曲」(バーンズ作曲)を選択した.実験については被験者の自宅や職場で実施し,吹奏楽曲を聴取中(間断なく5回繰り返した)の心拍数を2分毎に測定することとした.その実験により得られた心拍数について聴取回数毎の平均値を計算した結果,聴取回数ごとの心拍数の平均値は,聴取回数が多くなるにつれて減少するか(3名),ほとんど変化しない(1名)という傾向が見出された.一方,男女それぞれにおいて,心拍数の変動傾向が類似している結果を得た.