バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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生体組織適合材料の劣化機序の分析(2) : 小角X線散乱実験の実験モデル解析
松浦 弘幸中野 正博野田 信雄小井手 一晴伊藤 安海根本 哲也
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2007 年 9 巻 1 号 p. 61-69

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抄録
医用生体材料への蛋白・カルシウムの沈着は,単なる材料の劣化現象に留まらず,致死的な疾患を起こす原因の一つである.セグメンタルポリウレタンを用いて厚さ50μmの膜状試料を作成し,急性疲労(加速耐久試験装置),慢性的的負荷などの変形・劣化の実験を行った.その結果を,規格化電子密度分布関数と距離・電子数分布関数,そして連結マックスウェルモデルを用いて,劣化の状態を評価した.この結果,400Å近傍に電子密度の大きな領域が周期的に存在し,高分子鎖が400Åごとに複雑な絡まり合いを形成していることが判明した.さらに,試料の引っ張りと垂直方向に,強い圧縮作用が働いた結果,非常に高い電子数分布が発生した.加速耐久試験(動的変形試験)は,高分子鎖の切断が劣化の中心的役割を担い,動物実験による人工弁の疲労は,高分子鎖が絡み合った状態での引き伸ばしが,劣化の本体である.加速耐久試験は,全く動物実験の結果を再現しないことが知れた.
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© 2007 Biomedical Fuzzy Systems Association
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