日本釀造協會雜誌
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醤油加工粘稠物の研究其二
松本 憲次
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1938 年 33 巻 3 号 p. 310-313

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抄録

一、可溶性澱粉溶液及白糠澱粉液の一%位の溶液に於ては一%以下の弱酸及「アルカリ」液の添加によりては餘り粘度に變化を及ぼさぬが、強て差を見るならば可溶性澱粉溶液に濃度が稀薄なる程粘度が低下するが、白糠の場合には反對に鹽酸液添加により粘度を多少高める傾向がある。
一、未中和「アミノ」酸液に憬を添加し加熱すると粘度が漸次低下するが、其に白糠を添加した場合は一時間位で粘度は最高になり、四時間で一定すると云ふ結果を現はす。それ故に白糠を添加して含糖化する場合は一-三時間作用せしむるのが適度である。
一、「ソヤレツクス」の酸分解液の粘度を試驗した。
一、憬及醤油中の粘性賦與物質が酒精により沈澱せられる物質がある。憬などは大牛酒精により分取せられ、醤油も可なり沈澱せられるが、唯だ不安定の粘稠性賦物質が醤油に含有する。
一、憬の粘度賦與物質は透析方法により大部分殘留するものである。

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