日本釀造協會雜誌
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醤油界の苦境を如何にして打開するか
松本 憲次
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1939 年 34 巻 10 号 p. 972-976

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抄録

一醤油界の苦境打開に對しては釀造家は現下戰時統制經濟の意義を充分に認識して工業組合の結成を速にして組合事業を各員が支援して運營せしめることが第一緊急の方法である。
二釀造家は組合の一員として生産上に於ける無駄を排除して工場主に營業上に於ける合理的管理を徹底して生産原價を低下する工夫と販賣機構の改善により販賣經路の單純化を圖りて販賣費用を節約するにより低物價政策に順應する様に努力する必要がある。
三釀造用資材の配給統制により技術的に改善すべき點を考慮すること多々あるから、從來の販賣偏重を矯め少なくも技術方面も平等に見る様に改心して經營を行ふことが現下の戰時統制經濟に對應する最良の方法である。
四技術的問題として將來の無駄なる點は極力排除し代用品の有効適切なる使用、加工法の改善、諸味早熟法及増量法等の如きが既に知られながらにして實行せられないのは此際斷行する必要がある。

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