日本釀造協會雜誌
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酵素を利用する諸味増量法の研究其の二
松本 憲次依田 公介
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1940 年 35 巻 5 号 p. 448-452

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抄録

一、諸味搾汁に當り適度の加温を施し酵素作用を營ました後ち壓搾すれば、諸味中の成分利用として役立ち然も諸味を増量した場合などは頗効果的と思はれる。
一、諸味中の糖化促進方法として、膠質物として濕は阻害作用を爲し、海藻浸出液は多少効果があるも酵母乳酸菌等の生産物は餘り助成せぬが酵母、醗酵液は多少影響する。然し酵素液を糠麹及麩麹浸出液にした場合は酒粕浸出液は阻害し醤油粕浸出液は多少促進する。
一、糠麹浸出酵素はアミノ酸液を澱粉液に添加して作用せしむるとアミノ酸液は促造的作用を現はすものである。然し白糠麹をアミノ酸液中で作用せしむると、糖分生産が少ない、アミノ態窒素は四-五時間作用で増加するも後ち減少し此れは糖分と作用し色素を生する爲めである。
一、醤油の酵素液はアミノ酸液添加により多少阻害せられる傾向があるが、タカヂアスターゼ又白糠麹浸出液は促進せられる殊に後者の場合は顯著である。

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