日本釀造協會雜誌
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味噌, 醤油の種麹檢査と其の概評
松本 憲次村上 英也奥山 宏造西巻 敬次郎奥田 眞造三澤 光展
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1949 年 44 巻 7-8 号 p. 35-45

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抄録

種麹の檢査を概括すると大體に於て味噌の場合, 米使用の爲め良好と認められる。理化學的檢査の方は普通である。唯芽胞子發芽率は時期少し後れ不充分ではあるが比較的に不發芽のものが多く種麹製造の際温度及び乾燥に注意を要すると思はれる。
培養試驗で少し雜菌の混生したのが多い事は, 操業場の隔離清淨を必要と認められる。殊にモニリアの發見されたものが若干あつたから, 麹蓋, 床其の他此等に使用される蓆, 小道具の殺菌を一層嚴重に行ふべきである。菌種の組合せが不完全な爲め外觀が不整で不良種他菌の混入を思はせ面白くないものが見出される。味噌用などは現在は玉蜀黍を使用してゐる關係で此れに適當するものを選擇することが必要である。醤油用種麹は醤麥に不適當なものは勿論避くべきである。
官能檢査の結果は概して良好であるが, 味噌用3點, 醤油用2點が不完全の様に判斷される。

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