日本釀造協會雜誌
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清酒 (新酒) の品位と化學的成分との關係
伊藤 恭五郎山崎 武山田 茂石田 充幸
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1951 年 46 巻 8 号 p. 307-302

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抄録
本酒造の新酒一普通清酒, 増釀酒の品位と一般成分, 殘存酵素, 比粘度, 溷濁度との關係を試驗し檢討した。
1. 一般成分との關係
普通清酒 (A) 増釀酒 (B) の品泣と一般成分との關係は大體對蹠的な特徴を示す。
2. 殘存酵素 (アミラーゼ, プロテアーゼ) との關係
i) アミラーゼ:(A) (B) 共品質上位なものが何れも大で戰前の優良なものに小なるものが多かつたのと較べ最近の酒質の變邏を物語つていると思う。
ii) プロテアーゼ: アミラーゼの場合と反對で (A) (B) 共上位のものが小となつている。
3. 地粘度との關係
品位と比粘度及びエキス分との關係は (A) では上位のものが小で (B) では大となつている。この事から (A) の場合は淡麗型, (B) の場合は濃味型に近いものが官能審査には有利と言うことになる。
4. 溷濁度との關係
(A) では上位が濁度少く (B) では之と反對的な傾向を示してはいるが餘り明確な差異はない。(A) (B) 兩者の間では (B) が少くなつており溷濁性の危瞼は (A) より (B) が少いことを示した。
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