1955 年 50 巻 9 号 p. 537-535
清酒醸造中の一般分析によるアミノ酸は専らSoerensenのFormo1法で滴定されているが, この方法によれば遊離のアミノ酸だけでなくペプチッドをも滴定されるために両者の和が一応示されるものと考えられる。而るにWillstatter法によれば50%の酒精溶液中ではペプチッドの全量とアミノ酸の一定量約28%が炭酸基を遊離して滴定されると言うので, 著者等はSoerensen法とWillstatter法とを併用して酒母及び殺菌麹汁に酵母を培養中の遊離のアミノ酸とペプチッド及び火落菌発育素の消長を追求して見た。