日本釀造協會雜誌
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清酒醸造合理化に関する研究 (第3報)
酒母省略仕込における酵母使用量および膠より分離した酵母の性質
下出 光男谷 喜雄角野 一成山城 敬一福井 三郎
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1965 年 60 巻 7 号 p. 631-634

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抄録

工業的規模において酒母省略仕込を実施するにあたり圧搾酵母添加量の多少により醪の経過に著しい差がみとめられた。本報では総米1,000kgあたり460gの酵母添加を標準添加量として醪の状貌および成分経過をしらべ, さらにこの標準量より多い場合と少ない場合における醪の経過, 製品の品質について検討した。
あわせて酒母省略仕込の醪より分離した酵母のガス代謝能および呼吸系補酵素について測定し従来の酒母仕込醪より分離した酵母と大差がみとめられないことを知った。著者らの方法により乳酸含有培地に通気培養した酵母は呼吸系補酵素含量が高く呼吸能のつよい性質のものであるが, 酵3日間の経過において普通酒母仕込の醪より分離した酵母と同様の性質に変化するものと考えられる。

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