日本釀造協會雜誌
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2-TBA法の白米への適用
佐藤 信高橋 康次郎樋木 尚一郎
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1966 年 61 巻 4 号 p. 351-355

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抄録

既報において, 白米の匂いとFAVの間に関係があることを報告したが, 脂質の分解によって生ずる脂肪酸類が, さらに分解してアルデハイドを生成することが予想されるので, 肉・油・乳製品類の脂質酸化度測定に一般的に用いられるTBA反応を, 白米に適用する可能性について検討した。
まず, 反応諸条件を比較検討して, Fig.1に示すような測定方法を設定した。この反応液の呈色は, 8℃では安定であるが, 室温 (25℃附近) では時間とともに増大した。
内地米および加州米とTBA試薬との反応呈色液は, 双方とも452mμと540mμ附近に吸収極大を示すが, 540mμでの吸収において, 内地米と加州米の間に大きな差がみられた。また, 精白の程度が進めばTBRS (TBA反応性物質) が減少する傾向がみられたが, 90%以下では減少が極めて緩徐であった。
各種外米のTBRSを比較したところ, 加州米の値が最大であった。
また, FAVとTBRSとの関係を求め, 光線を照射したところFAVが減少しTBRSは増加した。
さらに, FAV, TBRSと米の匂いの官能値との関係を検討した。

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