日本釀造協會雜誌
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清酒の出荷管理に関する研究 (第2報)
清酒中の3-D-G含量と官能熟度との相関について
岩野 君夫衣山 陽三中村 伝市大町 得蔵河地 元彦
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1970 年 65 巻 1 号 p. 63-65

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抄録

著者らは前報において清酒中の3-D-G (3-デオキシグルコソン) の簡易測定法を考案し, 3-D-G含量が浩酒の熟度を表わす1つの指標となりうると推測報告したが, 低温 (15℃), 高温 (30℃) および室温で6力刀間貯蔵した満酒について3-D-G含量と官能熟度との関係を検討した結果次のような知見が得られた。
1. 高温貯蔵の清酒は低温貯蔵の清酒より3-D-G含量は多く, 分布の範囲も大きかった。
2. 3-D-G含量と官能熟度との相関はr=0.8596で極めて高かった。3. 溝酒の色と官能熟度との相関はr=0.6027で3-D-G含量と官能熟度との相関に較べて低かった。
4. 清酒の色と3-D-G含量との相関はr=0.8854で極めて高かった。
以上の知見から3-D-G含量が清酒の熟度を表わす1つの指標となり得るものと考えられる。

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