日本釀造協會雜誌
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昭和45年度における醤油・味噌の研究業績
グルタミン酸および核酸関連物質の発酵生産の研究を含む
大西 博
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1971 年 66 巻 4 号 p. 351-370

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抄録

昭和45年度における醤油・味噌の研究業績を通覧するに, 大豆蛋白質の食品加工特性についての研究報告が多く, また大豆フレバーやその生臭除去法, さらにはプラステイン反応を利用した蛋白資源の食糧化に至るまで鋭意研究が進められており, これは醤油・味噌原料としての立場よりも, より広い食品加工の見地から取り扱われているが, 蛋白質のみならず大豆の他の成分をも有効に生かした利用面の開発については醤油・味噌製造にたつさわる者にとっても関心事であるべきである。麹菌の蛋白分解酵素の性質と生産の増強についての報告も多く, 醤油・味噌醸造の中心課題であることは変りなく, 食品添加物の毒性の問題がやかましくなって, その解説記事も多くみられ, 将来の醤油としてはそれらの無添加の純正醤油製造への方向が論じられている。味噌についても製造の合理化と品質の向上を目指して着実に研究が進んでいるようにみうけられる。
本誌第65巻には毎号研究報告・解説記事を各項目別に示した総覧が掲載され読者の便を計ったのはありがたい。

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