日本釀造協會雜誌
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白米使用歩合を減じた清酒醸造試験
村上 英也原 昌道大場 俊輝志水 伸一高野 文夫備前 次雄酒井 俊夫
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1972 年 67 巻 1 号 p. 58-60

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抄録

汲水歩合を普通仕込の120%(A) に対して176%(B), 333%(C), 600%(D, 全麹) と大きくした配合で清酒を試醸し, 発酵経過と製成酒の成分をしらべた。汲水歩合が大きいほど醪中での最大アルコール生成濃度, 最高ボーメ, F-Nは小さく, 酸度は大差はなかった。他方製成酒の色, 日光による着色度はCが最も小さく, Aが最大であり, デフェリフェリクリシン含量, Fe2 (SO4) 3呈色度はCが最低でDが最高であった。酒のpH, F-NはAが最大であった。酒の緩衝能はA, BにくらべてC, Dは小さく, キキ酒結果はBが最も良かった。以上の結果から汲水歩合は170~180%が限界であると考えられる。

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