しょう油が初めて製造されてから約750年を経ている。食品は永くて500年の寿命といわれているが, それが現在, 世界的な売行きを示しているのはなぜであろうか。それは程よい塩辛さと, すっぱさが一種のスパイス的効果のあるためであると考えられている。現在までの製造法の変化を考察してみると, 腐造ということが皆無であるために泰西の文化がはいりだした明治維新後にはじめて変化が起ったようである。近くは終戦後の変革も第2の近代化であったのではないか。著者はそれらについて詳しく論じ, 最後に今後のしょう油業界のあたらなければならない問題点に言及している。