日本釀造協會雜誌
Online ISSN : 2186-4004
Print ISSN : 0369-416X
ISSN-L : 0369-416X
酒米適性についての研究 (第4報)
白米ならびに蒸米のたんぱく溶出性
前川 季義入江 経明米崎 治男
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 70 巻 2 号 p. 121-126

詳細
抄録

各種酒米のたんぱく区分の比較と蒸米たんぱくの溶出性について検討した結果, 次のことが考えられた。1. 白米中のたんぱくをその溶出性により区分わけした場合, 一般米は心白米にくらべてInsoluble NとProlamin Nが多い傾向にある。Albumin N, Prolamin NはTotal Nと相関性がなく, Glutelin NとGlobulin NはTotal Nと正の相関々係にあり, Glutelin Nは量的に多くてTotal Nを支配する。Insoluble Nは一般米に多くてTotal Nと正の相関々係にある。
2. 一般米のInsoluble Nは, 白米の吸水率比と正の相関々係, 蒸米の被消化性と負の相関々係を示すが, 他のたんぱく区分は白米の吸水速度, 被消化性と相関性を示さない。
3. 蒸米のK-Type N, S-Type-N, K-Type N-SType Nは, 吸水率比と関係なく, 白米たんぱく量と相関々係にあり, Glutelin-N, Globulin-Nと相関する。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事 次の記事
feedback
Top