日本釀造協會雜誌
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高酒母歩合によるソフト清酒の製造 (第2報)
実地醸造結果について
高橋 康次郎白石 常夫国分 伸二泉 健里見 弘司石川 雄章佐川 浩昭田丸 二三人秋本 雄一
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1981 年 76 巻 8 号 p. 549-552

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抄録

酒母歩合20%, 汲水歩合150%の仕込配台で, 総米500kgのソフト清酒の製造を2製造場で行った。
1) アルコール収得量や粕歩合, その他の歩台は, 標準的な通常の仕込の場合と大差はなかった。
2) 製成酒の成分は, A社: アルコール分15.7%, 日本酒度-3.0, 酸度2.6, アミノ酸度2.0, B社: アルコール分15, 3%, 日本酒度-5.0, 酸度2.9, アミノ酸度2.3であった。
3) 同一社の本醸造酒又は純米清酒 (対照酒と呼ぶ) と試醸酒の成分を比較した場合, 試醸酒は, すべての有機酸が多かった。また, succinic acidを100にした場合の比率では, 試醸酒は対照酒に比べpyruvic acidが多くacetic acidが少なかった。一方, アミノ酸度は, 大差なく, 組成においても大きな違いはなかった。
貯蔵による着色の増加量は, 試醸酒が対照酒よりも2.5倍程多かった。

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