1982 年 77 巻 12 号 p. 917-922
1用水を陽イオン或いは陰イオン交換樹脂で処理し, 得られた水を酸あるいはアルカリ溶液で中和し, 陽イオン或いは陰イオンが単独の水を作成した。
2処理水を用いて洗米, 浸漬を行い米中の金属量の変化を調べた。カチオン水ではそれぞれ中和に用いた金属が他に比べて多くなったが, アニオン水では特に対照に比べて変化がなかった。
3製きく後の酵素活性では, こうじ菌体量当りで換算していないが, Ca水やPO4水が影響を与えていた。
4醸酵試験では, アニオン水は対照と比べてやや促進されたが, カチオン水特にCa水は酵素活性も低かったが醸酵が遅れた。従ってCa水を用いた清酒の一般成分にやや特長がみられた。