日本釀造協會雜誌
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清酒充填用資材の微生物調査及び殺菌方法の検討
清酒の常温無菌充填に関する研究 (第2報)
神田 晃敬浜地 正昭本馬 健光
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1985 年 80 巻 12 号 p. 875-878

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抄録

1. 瓶及び紙容器 (BIB) の充填用資材から火落菌は検出されなかった。
2. 瓶は, 洗浄が充分ならば低濃度の次亜塩素酸ソーダで十分殺菌ができる。
3. 真性火落菌S44をS1培地上で99.9%殺菌するのに必要な紫外線の殺菌線量は83μW・min/cm2で, 一般のグラム陽性菌に比べ感受性が大であった。
4. 現在, 一般に使用されているポリ栓・キャップ (ねじ栓, PP栓等) は, 乾熱殺菌ができなかった。また, 紫外線で殺菌するには, 構造上問題があった。
5. 紫外線は, 綿くずのような小さいものの存在でも光線の遮蔽のある場合は効果が大きく低下した。
6. 菌濃度が低い場合は, 紫外線で短時間に殺菌が可能であるが, 菌濃度が高くなると, 遮蔽効果のためか殺菌が不充分となることが認められた。

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