食は我々が毎日基本的に必要とするものである。だが, 食としてとるものは, ヒトの乳 (人乳) 以外には本来我々ヒトのために作られたものはない。したがって, これらの食を構成する生体成分, ことにタンパク質は, ヒトにとっては異物として認識されるので, 時にヒトの体では生体防御の免疫系が働いてこれを排除しようとする。この免疫系が異常な状態となったのが, 食品アレルギーである。本稿は, 食品7レルギーの発症機構, 細胞生物学, 牛乳アレルギー, 卵アレルギー, その他の食品アレルギー, さらに食品アレルゲンに共通した性質, 結びにはアレルゲン性低減化食品の開発からなる。著者の豊富な研究データをまじえてやさしく解説していただいた。