熱傷
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症例
両側手背Ⅲ度熱傷に対し鼠径皮弁と指動脈島状皮弁により再建した1例
遊佐 優天羽 健一
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2021 年 47 巻 4 号 p. 137-142

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抄録
 手の熱傷は全体の80%以上を占める頻度の高い部位であり, 特にⅢ度熱傷の場合にはArtzの基準でも重症熱傷に分類される. 手は解剖学的に手背と手掌で大きく異なり, 手背では皮膚が薄く伸筋腱や靱帯, 骨の深部組織に損傷が及びやすいため, 治療期間が長引くと感染や拘縮の危険性が高くなる. 深部組織が露出した場合には遊離皮弁や遠隔皮弁, 局所皮弁による再建が必要になるが, 手術手技や術後安静度の必要性などを考慮して適応を検討する必要がある. 今回われわれは, 手術計画が理想的に行えなかった両側手背Ⅲ度熱傷に対し鼠径皮弁と温存を断念した示指を利用した骨抜き皮弁から指動脈島状皮弁を挙上し, 腱露出を伴う母指を温存できた症例を経験したため報告する.
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© 2021 一般社団法人 日本熱傷学会
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