熱傷
Online ISSN : 2435-1571
Print ISSN : 0285-113X
症例
MEEK法による分層植皮を行った熱傷の治療経験
畔 熱行鈴木 健司尾崎 裕次郎松浪 周平齊藤 福樹中森 靖日原 正勝覚道 奈津子
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 49 巻 2 号 p. 94-101

詳細
抄録

 MEEK法による分層植皮を行った熱傷患者の治療を経験した. 症例1は広範囲熱傷であり, 3回のメッシュ状分層植皮と頸部への皮膚移植を行った. その後, 全身状態が悪化し, 採皮部が限られるなか施行した4回目の手術にてMEEKの機器を借用する機会があり, MEEK法による皮膚移植を行った. 肩部をのぞき植皮片は生着し上皮化治癒した. 症例2は人工真皮を用いたwound bed preparationを行ったのちにMEEK法による皮膚移植とメッシュ状分層植皮を行い, すべて生着し上皮化治癒した. MEEK法による皮膚移植はメッシュ状分層植皮より確実に拡張ができた. MEEK法は手技に習熟が必要だが, 必要な採皮量が予測しやすく, 広範囲の熱傷などの採皮部が限られる症例においては有用であると考えられる.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本熱傷学会
前の記事 次の記事
feedback
Top