2023 年 49 巻 2 号 p. 94-101
MEEK法による分層植皮を行った熱傷患者の治療を経験した. 症例1は広範囲熱傷であり, 3回のメッシュ状分層植皮と頸部への皮膚移植を行った. その後, 全身状態が悪化し, 採皮部が限られるなか施行した4回目の手術にてMEEKの機器を借用する機会があり, MEEK法による皮膚移植を行った. 肩部をのぞき植皮片は生着し上皮化治癒した. 症例2は人工真皮を用いたwound bed preparationを行ったのちにMEEK法による皮膚移植とメッシュ状分層植皮を行い, すべて生着し上皮化治癒した. MEEK法による皮膚移植はメッシュ状分層植皮より確実に拡張ができた. MEEK法は手技に習熟が必要だが, 必要な採皮量が予測しやすく, 広範囲の熱傷などの採皮部が限られる症例においては有用であると考えられる.