2026 年 52 巻 1 号 p. 7-17
本研究の目的は, 熱傷急性期において看護師が実施する熱傷創処置の援助に関する実態について明らかにすることである. 対象は, 日本熱傷学会熱傷専門医認定研修施設かつ厚生労働省の全国救命救急センターの認定を受けている58施設の救命救急センターに勤務し, 経験年数3年以上の看護師116名である. 基本属性, 熱傷創処置に関する看護援助で構成した無記名自記式質問票によるWEB調査を実施した. 分析は, 記述統計とテキストマイニングを実施した. テキストマイニングは, 研究参加者の記述から熱傷急性期において看護師が実施する熱傷創処置前, 熱傷創処置中, 熱傷創処置後の援助を文脈単位として抜粋し, コードを生成したのち, ①上位頻出語, ②共起ネットワーク分析を実施した.結果, 45名から回答を得た.①上位頻出語では, 熱傷創処置前の看護援助は「準備」50件が最も多く, ついで「処置」35件, 熱傷創処置中の看護援助は, 「処置」28件が最も多く, ついで「観察」26件, 熱傷創処置後の看護援助は, 「確認」が33件と最も多く, ついで「処置」30件であった. ②共起ネットワーク分析では, 熱傷創処置前の看護援助11カテゴリー, 熱傷創処置中の看護援助9カテゴリー, 熱傷創処置後の看護援助8カテゴリーが生成された.熱傷創処置 (前・中・後) 全体を通して共通していた看護援助は, 疼痛管理, 処置の準備・介助, 体位調整であった. また, 熱傷創処置 ( 前・中・後) 各時期の看護援助の特徴として, 熱傷創処置前は【体温低下をふまえた室温管理】と【患者への事前説明】, 熱傷創処置中は【患者への声掛け】, 【バイタルサインの変動のチェック】, 【体温管理予防をふまえた包交時間管理】, 熱傷創処置後は【バイタルサイン変化と患者状態の観察】, 【感染対策】, 【出血によるガーゼ汚染】が示された. 熱傷創処置の看護援助は, 皮膚組織の損傷の程度に留意し熱傷創処置前・中・後で一貫して関与しながら, 体温や疼痛, 感染, 患者の不安への対応などを体系的に実施していることが明らかとなった.