2012 年 52 巻 February 号 p. 95-97
要 旨:症例は57歳,女性。約20年前大動脈弁置換術および上行置換術を施行された。経過観察中に胸部レントゲン写真で縦隔陰影の拡大を認め,CTを施行したところ上行大動脈に12 cm大の巨大仮性瘤を認めたため手術を施行した。手術は右腋窩・右大腿動脈送血,右大腿静脈脱血にて体外循環を確立し,膀胱温20°Cで循環停止とした。胸骨正中切開すると仮性瘤開放となったが,予め留置しておいた閉塞用大動脈内バルーンを拡張し,大動脈遮断することで無血視野を確保でき,再上行置換術を施行し得た。