2013 年 53 巻 January 号 p. 9-18
要 旨:高度の大動脈弁狭窄症患者の治療として,外科的大動脈弁置換術はゴールドスタンダードである。しかし実臨床の場では高齢,低心機能,併存疾患による手術リスクの上昇のために手術が必要な患者の30%以上が,外科的治療を受けていない。このようなハイリスク患者に対して,外科的大動脈弁置換術に代わる非侵襲的な治療法として,経カテ—テル的大動脈弁置換術が開発された。現在はEdwards SAPIEN systemとCoreValve systemの2種類が臨床使用されている。病的石灰化大動脈弁に対して,心拍動下での大動脈弁へステントを留置する手技であるため,合併症に注意を払う必要がある。PARTNERトライアルをはじめとした臨床試験結果が報告されつつあり,概要について解説する。