2015 年 55 巻 4 号 p. 71-77
要旨:2 型糖尿病治療中の80 歳男性が2 カ月前から続く上腹部痛で受診した。腹部血管雑音や圧痛を認めず,腫瘤は触知しなかった。造影CT で腎動脈分岐頭側にマントルサインを伴う最大短径45 mm の腹部大動脈瘤を認め,PET でFDG の強い集積を認めた。IgG4 は102 mg/dl と正常値であったがCRP が軽度上昇し,PR3-ANCA が陽性であった。炎症性大動脈瘤と診断し,経口プレドニゾロン40 mg/day などによる治療開始1 カ月後,最大短径は33 mm まで改善し,FDG の異常集積は消退した。