脈管学
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症例報告
馬蹄腎を合併した腹部大動脈瘤の2治療例─血管内治療と外科的治療─
宮﨑 卓也南淵 明宏奥山 浩遠藤 真弘金村 賦之
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2016 年 56 巻 8 号 p. 117-122

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抄録

腹部大動脈瘤に馬蹄腎を合併することは稀であり,外科治療で前方からのアプローチにおいて問題となるのは馬蹄腎が大動脈前面に位置し,大動脈または腸骨動脈から馬蹄腎に分岐する異所性腎動脈の存在である。その際アプローチ法や展開方法,腎組織の温存などの考慮が必要である。馬蹄腎は大部分が大動脈,または腸骨動脈から分岐する異所性腎動脈が存在する。われわれは2例の馬蹄腎を合併した腹部大動脈を経験し,2例ともに異所性腎動脈を再建せずに,1例はステントグラフト挿入術,1例は開腹人工血管置換術を施行した。術前検査として腹部造影CT検査を施行し異所性腎動脈分岐数,位置を確認し,腎機能が正常でなおかつ異所性腎動脈分枝が3 mm以下で細く,腎動脈本幹の血管径5 mm以上と血流が良好であったため,異所性腎動脈は再建せずにステントグラフト内挿術,開腹人工血管置換術を施行することができた。術後造影CT検査では腎虚血と思われる馬蹄腎峡部の一部血流低下を伴う造影不良部位が見られたが,長期的に観察し腎機能の低下,その他合併症なく経過した。馬蹄腎を合併した腹部大動脈瘤に術前造影CT検査で動脈瘤と腎峡部の位置関係,異所性腎動脈の分岐形態や分枝数を確認し,血管径が3 mm以下では腎機能が正常であれば閉鎖処理が可能なことが多いと考えられた。

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