2025 年 65 巻 11 号 p. 123-126
骨内静脈の還流異常による前脛骨部静脈瘤の治療を2例経験した。症例1は62歳男性で,10年前から左脛骨前面の一部突出していた箇所があったが,1カ月前疼痛を自覚した。CTで左脛骨を貫通するように拡張した静脈を認め,外科的加療で症状は改善した。症例2は74歳女性で,2週間前から右下腿の疼痛を認めた。エコーで骨皮質欠損から逆流する血流とCTで脛骨を貫通する静脈を認め,こちらも外科的加療で症状が改善した。骨内静脈還流異常であるbone perforatorsが原因の前脛骨部静脈瘤は比較的稀な疾患である。