抄録
アミノ酸残基をα炭素を中心とする剛球としてモデル化すると、その剛球の重なり容積を用いて二つのタンパク質の類似を計測することができる。その際、最大重なり容積が得られる二つのタンパク質の重ね合わせ状態を求める必要がある。そこで、そのような状態を遺伝アルゴリズムを使って求める方法を考え、種々のアルゴリズムを用いて自己重ね合わせと異タンパク質鎖間類似度を求める実験を行った。その結果、100個のクロモソームを用い、選択圧1.5,交差確率40%の定常状態再生法がこの問題に対する最も妥当な方法であることが明らかになった。さらに全探索法との異タンパク質鎖間類似度の比較も行い、この方法の精度を検証した。