2008 年 9 巻 p. 37-46
近赤外分光法は食品、細胞組織などに含まれる多成分からなる混合体の全体的特徴を把握する方法として様々な分析に応用されている。本研究では、お茶の品質を近赤外分光スペクトルから推定することを目的としてケモインフォマティクス法を検討した。まずはじめに、1000-2500 nmにおける吸収スペクトルを標準正規化変換(Normal standard variate transformation)により前処理を行い、微分係数による特徴表現した後、スピアマン相関により、お茶の品質と相関のある波長を選択したところ、10個の波長がお茶の品質と0.90の相関が得られた。PLS法により、これらの10個の波長における強度による十分に信頼できるモデルを作成することに成功した。近赤外分光法における微分係数による特徴表現の重要性についての検討も行った。