日本補完代替医療学会誌
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原著
ハトムギ Coix lachryma-jobi L. var. ma-yuen Stapf の有用成分に関する研究
滝本 裕子鈴木 信孝川畑 哲郎只野 武太田 富久徳田 春邦許 鳳浩井上 正樹
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2013 年 10 巻 2 号 p. 69-74

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抄録

ハトムギ子実の熱水抽出エキスであるヨクイニンは,漢方薬として利用され,ヒト乳頭腫ウィルス性疾患である疣贅等に用いられている.ハトムギの子実の有用成分についてはいくつかの報告があるが,外殻,薄皮,渋皮についての薬理学的有用性については未だ明確になっていない.今回ハトムギの穀実(子実,外殻,薄皮,渋皮)のメタノール抽出エキスの癌細胞に対する作用と有用成分に関する検討を行なったところ,抽出エキスの一部の画分は HeLa 細胞(ヒト子宮頸癌由来)に対して有意な細胞増殖抑制作用を示した.さらに,増殖抑制作用が認められた画分から化合物として 5,7-dihydroxychromone と coixol を単離した.以上より,ハトムギ穀実のメタノール抽出エキスは癌予防に有用である可能性が示された.

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© 2013 日本補完代替医療学会
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