抄録
市販の黒酢含有食品(黒酢,黒酢もろみ)のヒトでの安全性について二つの試験で評価した.試験1は,インフォームドコンセントが得られた健常成人11名に製品の1日摂取目安量(2カプセル/日)の5倍量(10カプセル/日)を4週間摂取させた(過量摂取試験).さらに,試験2として,C型肝炎患者10名と軽度肝機能異常を有する被験者10名の計20名を対象に,製品の1日摂取目安量(2カプセル/日)を4週間摂取させた.各試験共に,摂取開始前,開始2週間後,4週間後,摂取終了2週間後に,血液一般検査,生化学的検査,尿検査を行い,また有害事象や副作用の有無についても検討した.試験の結果,試験1,2ともに,摂取前と比較し,異常な変動を示す検査値やバイタルの変化は認めなかった.また,問題となるような有害事象ならびに副作用は認めなかった.以上の結果より,健常成人ならびに肝機能異常を有する被験者において,黒酢含有食品の安全性が確認できた.