日本補完代替医療学会誌
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原著
中医体質理論を用いた黒部地域住民の健康関連情報のデータ解析
許 鳳浩 上馬塲 和夫朱 燕波王 琦鈴木 信孝金谷 重彦
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2020 年 17 巻 2 号 p. 145-153

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抄録
今回,黒部市の協力下に,体質九分類を用いた基礎調査と体質別指導プログラムによる介入調査を実施した.基礎調査は,黒部群(黒部川扇状地湧水飲用者n=155,60.6±10.4歳)と非黒部群(黒部市以外の北陸地域に在住する通常の水道水飲用者n=99,50.7±12.8歳)を対象に,体質調査票(CCMQ-J)を用いて計3回実施した.結果は,健康体質である平和質の割合が,黒部群では44.6 %,非黒部群では22.5 %と黒部群の方が明らかに多かった.各未病体質の割合で,黒部群が非黒部群より少なかったのは,湿熱質(4.5 % vs 11.8 %),気鬱質(5.4 % vs 10.7 %),陰虚質(7.1 % vs 12.3 %),痰湿質(5.8 % vs 9.6 %)であった.基礎調査終了後,黒部群を介入群(n=65,62.3±9.3歳)と非介入群(n=68,62.7±9.8歳)の2群に無作為に分け,さらに非黒部群を対照群(n=80,51.9±13.6歳)として3群を比較検討した.なお,調査デザインは単純比較試験とし,主評価項目は,黒部群に対する五大養生法を用いた体質別指導プログラムによる介入前後の体質得点の変化を層別解析した.結果は,陽虚質において3群間の介入前後での比較では,介入後1回目においては有意差がみられたが(One-way ANOVA p=0.04),介入後2回目では変化がみられなかった.痰湿質における比較では,介入後2回目において体質得点の変化量に傾向がみられた(One-way ANOVA p=0.087).以上のことから,体質調査は健康と未病の状態を把握できるだけでなく,体質別指導法を組み合わせることにより未病を改善し得ることが示唆された.
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