AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
構造が複雑な交差点部の大気汚染状況予測への深層学習手法の適用に関する一考察
松田 健介田頭 直樹大澤 剛福田 朗大劉 正凱
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 1 巻 J1 号 p. 221-227

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抄録

近年,我が国における大気環境は広域的に改善傾向にあるものの,大気汚染物質の発生源(重交通箇所,工場等)が存在し,周辺をオフィスビルや高架道路等に囲まれている場合(ストリートキャニオン)に,局地的で高濃度な大気汚染が発生するため苦情等につながっている.このような場所での汚染状況の改善を図るために,HPや現地の電光掲示板にアラートを発信するといった方法が行われているが,アラート判定に用いられる値は現在の観測値であり,前もって予測することはできない.

本研究は,諸条件を用いた高濃度の予測・予報手法の開発を目的として,ディープニューラルネットワーク(DNN)を活用し,ストリートキャニオン下の大気汚染予測への適用の有効性と予測に有効な入力項目の検討を行った.その結果,各入力項目(交通量の周期性を表現した指標,気温,風速・風向)がNO2に与える影響や,SPMの予測には広域的な入力項目が必要となることを確認し,深層学習がストリートキャニオン下の大気汚染予測に有効となる可能性を示した.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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