2009 年 6 巻 3 号 p. 143-150
本研究では,エアーマッサージチェアの疲労に対する有用性を検証するため,健常成人を対象としたランダム化 2 試験区クロスオーバー試験を実施した.8 時間のデスクワーク負荷の条件下で,VAS, ATMT による作業効率評価,生化学的検査により検証した結果,エアーマッサージチェア群は対照群と比較して,VAS で疲労感の軽減,ATMT の作業効率評価でパフォーマンスの低下抑制がみられた.このことからエアーマッサージチェアがデスクワークによる疲労に対し効果を有することが明らかとなった.また,生化学的検査で唾液アミラーゼの上昇抑制がみられたことから,その作用機序は疲労時に起こる自律神経機能の乱れを調節することであると考えられた.エアーマッサージチェアは,デスクワークによる疲労をはじめとした日常生活において生じる疲労に対して有用であると考えられた.