日本補完代替医療学会誌
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原著
クマザサ含有成分によるヒトサイトメガロウイルスの増殖抑制効果
阿久澤 和彦山田 理恵畢 長暁定成 秀貴松原 京子土田 裕三渡邊 邦友二ノ宮 真之纐纈 守村山 次哉
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2010 年 7 巻 1 号 p. 25-33

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抄録

現在我々は,代替医療薬を中心に抗 HCMV 薬の探索を行っており,防腐作用(抗菌作用)を含む種々の生理活性をもつクマザサに着目し,その熱水抽出液に抗 HCMV 作用があることを明らかにしてきた.今回,クマザサ熱水抽出液の成分の一部が分離・精製・同定され,その中の 1 つである tricin がウイルス粒子産生に最も高い抑制効果を示すことがわかった.また,その抑制効果は,クマザサ抽出液同様のウイルス感染後の処理だけでなく,感染前処理した場合にも見られることがわかった.さらにリアルタイム RT-PCR 法および,ウエスタンブロット法による解析の結果,tricin がウイルスの複製・増殖に重要な major immediate early (IE) 遺伝子の発現を抑制することがわかり,tricin が現在使用されている GCV とは異なる作用機序により抗 HCMV 効果をもつことが示され,新たな治療薬としての可能性が示唆された.

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© 2010 日本補完代替医療学会
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