2020 年 11 巻 1 号 p. 17-27
本研究では,発達障害傾向を持つ生徒を担当する通信制高校教員に,TV会議システムを用いた遠隔式ティーチャートレーニング介入を実施し,評価指標とした生徒の行動,対人応答性,教師の自信度において,対面式ティーチャートレーニング群(n=13),コントロール群(n=17),TV会議式ティーチャートレーニング群(n=15)の3群比較にて有用性を検討した.結果よりTV会議システムを用いた遠隔式ティーチャートレーニングでは,教員の自信度を除く,生徒の行動面と対人応答性において,対面式ティーチャートレーニングと同程度の有意な改善がみられた.TV会議システムの接続環境の整備の必要性など議論の余地は残したが,教員への発達障害支援のツールとしてその有用性が示されたといえる.