2024 年 15 巻 1 号 p. 11-18
自閉スペクトラム症(ASD)児へのソーシャルスキル介入は効果的であるとされている.プログラムの多くが対面形式で行われてきたが,ASD児の特性に合わせた介入や利便性の観点から,遠隔での介入法の開発と効果の検証,実施可能性の検討などが行われてきた.COVID-19パンデミック後には,オンライン会議システムを用いた同期型の介入の報告が増加し,広がりを見せている.本稿では,遠隔での介入法に関するいくつかの既報を紹介するとともに,我々が実施したオンライン会議システムを用いた介入の実際,そこから考えられた遠隔ソーシャルスキル介入の強みと課題を検討する.