2024 年 15 巻 1 号 p. 27-35
コロナ禍の影響により,急速に生活の中でのオンライン化が進んできた.学校ではオンラインでの授業,会社ではリモートワークが進められ,通学・通勤し直接対面を当然としていたが,自宅にて遠隔で勉強や仕事をすることが浸透していった.心理療法の一つである認知行動療法も従来の対面式から遠隔式での実施がより身近になっていった.筆者の所属機関では,遠隔での認知行動療法について,コロナ禍以前より臨床研究を行っている.直接対面して行う従来の対面式での認知行動療法では,遠方のため距離的に移動が難しい,または身体的・精神的に外出が困難な状況である場合,直接対面せずとも,遠隔での認知行動療法が実施できることで,メリットがある場合もある.遠隔での認知行動療法について概説する.