子どものこころに関する研究は,「発達研究」と「小児研究(あるいは乳児研究,幼児研究,児童研究,思春期研究など)」の2種に大別できる.両者には重なりもあるが,研究を行うための理論・モデル設定や研究手法に違いが出る場合も多い.そこで本稿では,まず「発達研究」とは何か,「小児研究」とどのように識別可能かについて概要を解説し,その後発達研究,特に「子どものこころ」というテーマに沿って,発達初期(乳幼児期)において使用可能な認知機能計測・脳機能計測の手法について概観する.その後,発達研究の中核的な問いの一つである「生まれか育ちか(あるいは遺伝・環境要因)」を研究する手法のいくつかを概観し,発達研究のための実験計画構築について議論する.その後,「こころ」の発達に関する研究の広がりと可能性について考察する.